昔、携帯電話のバックアップソフトを購入したのです。
ケーブルがついていて、携帯電話とPCを繋いでデータを吸い上げたり、更新できるツールです。私はなんだかんだで割と携帯電話を頻繁に変える方で、いつでも新しい方の機種を持っていることが多く、なかなかその手のソフトの対応状況が追いつかない状態が多いのですが、その時はめずらしく1年くらい同じ機種を使っていて、そのソフトでも対応していることが確認できた状態でした。
ところが、インストールして、いざ吸い上げようと思うと、途中で止まってしまうのです。何が悪いのかさっぱりわからないのですが、何度やっても、途中で吸い上げが止まってしまいます。で、何度も設定を変更したり携帯電話のメモリをいじったりして試したのですが、とうとう根を上げて、電話サポートに相談することにしました。
電話サポートはそれなりに混雑していましたが、5分程度で繋がりました。
さっそく、やりとりをしながら各種の設定を見直して、接続テストに入ります。メモリの中身にメールアドレスだけのものがあると上手くいかない可能性があるとか、まぁ、なんか既にバックアップとかいう主旨を逸脱しつつある条件を整え、携帯電話の設定をいじりたおしてみましたが、やはり繋がりません。
「だめですねぇ」
半分諦めかけて、私が告げると、相手は次に、驚く言葉を述べました。
「そうですか~。ではパソコンを変えてみましょう。」
「はい?」
「パソコン側の設定に何かあるかもしれませんので、別のパソコンにインストールをし直していただけますか?」
最近は、ご家庭には数台のパソコンがあるのが普通なのでしょうか。
まぁ、私もノート2台、デスクトップ2台持っています。手は2本しかないですけど。
いやそれにしても、パソコンを丸ごと変えてしまえというのはなかなか乱暴です。
「い、いや。それは・・・」
思わず、素で応えました。現に目の前で動かないソフトを、別のパソコンにインストールしましょうなんて、いくら気楽な私でもちょっと応じかねる内容です。
「稀にパソコンとの相性もありますので、別のパソコンでご検証頂きたいのですが。」
大人しく携帯電話のメモリをいじり倒して、携帯の設定を変更して、1時間も動かないものにつきあっていた私も、流石にこの言葉には少しかちんと来ました。
「お断りします。というかですね、普通の人が複数台のパソコンを持っているんですか?」
「あ、いえ、ございませんか?」
「ありますが、あなたの会社のソフトを検証するのに私のパソコン全てに動かないソフトをインストールするのはお断りです。というかですね。なんで金払って検証しなくちゃならんのですか?」
「あ、いえ。」
「まぁ、いいです。ソフトは諦めます。別の会社の買ってきます。ありがとうございました。」
「お役に立てず申し訳」がちゃん。
まぁ、途中でがちゃんとしたのは、正直大人げないなと後程反省しましたが、それにしても、こんな豪快なサポートを受けたのは初体験でした。
実際、仕事の上でも、個人的なことでも、何度かいくつかの会社の電話サポートに電話したことがあります。上手くいったこともあるし、だめだったこともありますが、パソコン変えてくれ、検証してくれ、は流石に言われたことがなかったです。
ちなみに現在では、他社製の携帯電話メモリ編集ソフトを手に入れ、快適ライフを過ごしています。
なぜこんなことを思い出したかというと、よっぽどハードウェアエンコーダの電話サポートにかけようか悩んだからです。(ちなみにIO-Dataにも以前電話をしたことがありますが、感動するくらい丁寧なサポートでした。サポートって大事だね!)
ま、それだけの話。
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