女優のKate Winsletが大好きなので、いくつか出ている映画を借りては見たりしているのですが、今日はアイリス(Iris)というタイトルの映画を見ることにしました。
まずは基本情報。 2001 Miramax 監督/脚本:Richard Eyre 原作:John Bayley 主演:Jim Broadbent / Judi Dench 音楽:James Honer 簡単に説明すると、聡明な哲学者で人生を自由に生き、いくつものベストセラー小説を出版した「アイリス」という女性(実在の人物だそうです)が、老齢となりアルツハイマーに罹る話です。老齢となったアイリスをJudi Denchが、回想として出てくる若いころのアイリスをKate Winsletが演じています。 結論だけ述べると、ちょっと日本では流行らない感じです。 テーマが重い割に救いがなく、かつ聞こえてくる主張が少なめ。 ちょっとしたハズレでしょう。 以下、ネタバレ。 アイリス。哲学者。真実を追い求め、自由奔放に生きた女性。
その女性に惹かれ、一生愛した男性。 その2人の、アイリスの一生涯分のお話です。 アイリスは老齢になっても小説を執筆し、多くの講演やテレビ出演を続ける生活を送っています。 そんな彼女が、ある日同じことを2度尋ねるようになり、執筆も単語を思い出せない場面が出てくるようになります。自分に僅かに起こった異変を感じ取りますが、決定的になったのは出演したテレビ番組でのスピーチ。問われた質問に対して、回答をしている最中に問いを忘れてしまったのです。 病院で調べたところ、彼女はアルツハイマーであることが判明。 それから、夫の苦悩が始まります。 彼女は常に真実を求め、言葉を多く識る哲学者。 夫は、非常に沢山の交友関係を持つ彼女に惹かれ、彼女を愛し、彼女もまた彼の懐の深さに惹かれ、そして結ばれたのです。 いつか、彼女はあの頃と同じに、元通りの聡明な彼女に戻る。そう頑なに信じて彼女の介護を続けます。 しかし、夫の希望とは裏腹に、どんどん病状が進行するアイリス。 徐々に状況の理解力がなくなり、言葉を忘れ、奇行も増えていきます。 生活は荒れ、家の中は惨憺たる状況に。それでも夫は頑なに彼女を自宅で介護し続けます。けれども、どんどんと疲弊して心が擦り切れていきます。 状況は一向に明るくなる気配がありません。希望も救いもない中、アイリスの古くからの友人が亡くなった葬儀で、夫はアイリスを連れて参列、弔辞を述べることに。その席で、夫もまた、話が纏まらないという症状を少しだけ見せます。 帰り道。アイリスは、彼女が「いなくなった」という事実にパニックを起こし、車内で暴れたあげく、ドアを開けて走行中の車から飛び出します。助けようと車をとめた夫も、後続の車を避けるために転がるように道端の土手へ。 天を仰ぎながら、アイリスがその時だけ、ぽつりというのです。 「私は、あなたを、愛してるわ」 疲弊しきった夫は、星を見ながら応えます。 「僕は昔、君と2人になるのが怖かった。 今じゃ、君がいないとだめなんだ。 明日も、明後日も、その次の日も一緒にいよう。 これ以上ないくらい近づいて、一つになろう。」 その後、夫は決心をするのです。 彼女を介護施設へ入居させることに。 彼女は介護施設で息をひきとりました。 ---- ストーリー的に。 この映画には救いが少しもありません。 見た後、爽やかな感じが何もしないのです。 重く苦しい現実が、彼女の若い頃の場面と交錯しながら展開することによって、とても強調されています。 映画として。 病気を伝えたいのか、彼女の生き方を伝えたいのか、はたまた老人介護について伝えたいのか、主眼がさっぱりわかりません。 現在と過去の交錯も、時折切り分けのできにくい場面があり、正直気持ちをしっかり持っていないと見ることができない感じです。 唯一、俳優の演技は絶賛に価するものでした。 老いたアイリスの毅然とした輝き、言葉を、感情を失う過程での恐怖感と、失ってしまった後の行動。 若きアイリスの、生に溢れた輝き、言葉を得る喜び、真実を追究する心、行動。 何より、老いた夫の戸惑い、狼狽、それでも愛し続ける苦しさ、寛容さ。 本当に絶賛できるものです。そこだけは見所かもしれないなぁ。。。 そんな映画でした。 そうそう、Kate Winsletはイギリス生まれでした>友人 PR
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